キミ想い
……さすが蓮だな、なんてのんきに頷いてていいのだろうか。
今話題になってる野宮さんの事もある。
ここに来ないなんて保証はないんだ。
けど、どうにも入っていくタイミングがみつからないというか……
「一応アイツの部屋ん中探してみたけど、それらしいモンはなかった」
「よく探せるな」
「まあ上手く追い出したり色々な。携帯にも残ってなかったしなぁ。なー、ハル君ヒントくれ」
「んな事してバレたら俺はともかくなずなが困るって」
なずなが困る。
こんな状態でも私の事を気遣ってくれるハルに、涙が出そうになる。
こんなに優しい人を傷つけて、何やってるんだろう私……
「そうだな。ハルはともかくなずなが泣くのは勘弁だ」
「おっまえは、マジ一回殴らせろ」
「殴らせたらなずなと別れてくれるのか」
「…………」
ハルは黙ったまま。
それを同じように黙って見ていた蓮が起き上がると、私の姿に気付いたようで。