キミ想い
突然の出来事に声も出せない私は、二人をただ見つめていた。
「……っ……強烈パンチ」
右手で頬を抑える蓮は、その言葉の後にクックと喉を鳴らして笑っているようで。
対するハルはすくっと立ち上がると。
「あー、いっけね。つい殴っちまったー」
あーあ、なんて言いながらハルが私と向き合う。
「ってことで、不本意だけど、なずなとは今日で恋人関係解消ってことで」
「えっ──」
そうして、驚く私を真っ直ぐに見つめ──
「ごめんな、困らせて」
泣きそうに微笑んだ。