キミ想い


「最後が余計だ。が、確かにこのままじゃ身動きがとれないな」


どうしたもんかと悩みながら包帯を直し終えた蓮。

私はたった今迎えたハルとの終わりにまだ戸惑いつつも、ちょっと待ってと声を出した。


「私はあんまり野宮さんを刺激するような事はしたくない、な……」

「心配するな。俺が勝手に予想して動いてるだけだ」

「でも、野宮さんはそう思わないかもしれない」


蓮が動いている事が私やハルに何か聞いたからだと疑うかもしれないし、そんな事になったらハルは……


あの写真のせいで、今頑張って勝ち上がっている大会に出れなくなってしまう。

それどころか最悪、バスケ部に迷惑がかかるケースだって考えられるんだ。


頭の中で起こって欲しくない状況を想像して私は唇を噛み締めた。


刺激しない為にはどうすればいいか。

それを考えると、どうしても最初の決断と同じになる。


蓮を、拒絶する事。


それが二人が頑張ってるバスケを取り上げない事に繋がるんだ。


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