キミ想い


夜空を見上げれば、濃紺の中に輝く夏の大三角。

ここから見るとわりと近いような星と星の距離は、本当は驚く程遠い。

そして、その距離は縮まることはないのだ。


まるで、私と蓮の距離のように。


「……喉、乾いちゃったな」


ポツリ零して、すぐ近くにあったコンビニに入った私が手にしたのは、ハルが少し前に気に入って飲んでいたジュース。

美味しいから飲めって勧めてくれたハルの笑顔を思い出したら、涙腺が緩んでしまいそうになった。



これを買って飲んだらハルにメールしよう。



私を好きになってくれた彼に



ごめんなさいとありがとうを



伝える為に。













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