キミ想い


で、現在バスケ部の部室にいるわけですが。


「つーか、鍵当番って成田じゃね?」

「もちろん代わってもらった」


制服姿の蓮とハルが向かい合わせに座り会話をしてる。

私はと言えば、どちらの隣に座るのも気がひけて、彼らと三角を描く位置……つまり、王様席に座っていた。


「んで、話しってなんだよ」


切り出して、ハルは背もたれに体重を預ける。


「実はな、頼みがあるんだ」


蓮の瞳が、私とハルを交互に映した。

私は返事の代わりに瞬きだけをして蓮の言葉を待つ。

ハルも同様に、無言のまま蓮に続きを促していた。


蓮が、その顔に笑みを浮かべて。


「二人共、別れたばっかりで悪いけど、もう一回付き合ってくれ」



…………


……………………え。


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