キミ想い
親友?
私の親友といえばかりんだ。
かりんとの関係は、一言で言い表せるほど簡単じゃないとは思うけど……
「ぶつかったり寄り添ったり、かけがえのない存在かな?」
家族みたいで、恋人みたいな。
でも、そのどこにも所属しない特別な存在。
「ぶつかる……」
夏目さんは声を零すと、まだ不安げな瞳で続ける。
「ぶつかって、壊れたら?」
「壊れても、本当に親友なら大丈夫。またそこから新しい絆が生まれるよ。それはきっと、今までよりも強い」
かりんは穏やかな性格だから、大きな喧嘩はしたことがないけれど。
それでも意見のぶつかり合いは何度かあった。
私たちは別々の環境で育ってきた人間同士だ。
性格も違えば、考え方だって違う。
気が合うから、仲がいいから。
それだけじゃない場面は多々ある。
一緒にいる時間が長ければ尚更だ。
それでも、ぶつかった時に入ったヒビをうまく修復しながらまた一緒に笑い合う。
笑い合える。
それが、本当の友達だと思う。