キミ想い


──放課後。


私は夕暮れの住宅街をハルと二人、並んで歩いていた。

今日の部活はミーティングのみだったみたいで、蓮から指令が出たのだ。

一緒に帰るように、と。


ハルは通り道にあるコンビニに寄って買った新作アイスを食べている。

新作好きだよなぁ…なんてなんとなくハルを眺めていたら、私の視線に気付いた彼がアイスを差し出してきた。


「食う? うまいぜ」

「う、ううん。私は気にしないで」

「そーか? チョーうめーのに」


美味しいことを強調して、また彼はアイスをかじる。


「なぁ、なずな」

「うん?」

「もし、全部うまくいっても、本当に戻る気ねーの?」

「……うん」

「戻っても、同じこと繰り返すのが怖いから?」


その通りだった。

私は頷いてハルと視線を合わせながら話す。


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