キミ想い
確かに蓮なら受け止めてくれるかもしれない。
でも、そのわがままでハルや蓮に迷惑をかけるのはいやだ。
私が何も答えられないでいると、ハルが夕焼け空を瞳に映し、独りごちる。
「俺も……そうありたかったけど」
ハルの髪が風で揺れて、切ない時間とハルの想いに私の心がチクリと痛んだ。
どう話しかけようか迷っていたら、ハルの方から声をかけてくれる。
「なぁ、やっぱ佐伯に話しちまわねー?」
ただ、穏やかな内容じゃなかった為に、さっきよりも心臓には悪い気がしたけど。
「話すって──野宮さんとの事?」
「そう。どうせ佐伯が動くなら、多少は協力して動きやすくしてやった方がいいじゃん?」
「でも、もし言った事がバレたら……」
最悪の展開は免れない。
想像もしたくないソレを想像しかけると、ハルのどこか力強さを感じる声が耳に届いた。
「大丈夫。きっとうまくいく」
な? と宥めるように同意を求められる。
私はしばらく思案した後、不安は消せないものの……
「わかった。話してみよう」
承諾したのだった。