キミ想い
「俺の気持ちは今まで口にしてきたのと同じだ。変わらない。むしろ、なずながそばにいない分……前よりもっとなずなのことばかり考えてるかもしれない」
嬉しいと、感じる。
蓮の言葉がすごく嬉しくて、私もずっと騙し続けてきた気持ちを全部さらけ出してしまいたくなる。
ハルといても、結局は消えることのなかったこの想いを。
「わたし、は……」
屋上で、蓮の想いをぶつけられたあの日から隠しきれなくなった、蓮への気持ちを。
「私は……」
知らず、制服のスカートをきつく掴む私の手が白くなって。
溢れ出そうな想いを口にすることに戸惑っていると、蓮が「なずな」と私を呼んだ。
テーブルに落ちていた視線を上げて彼を見る。
蓮はまるで慈しむように微笑んだ。
それは、他の人の前では滅多にしない特別な彼の表情。
私はこの表情を、彼の隣でたくさん見せてもらっていた。
「野宮の事はまだ解決してないけど、もう、俺は知ったんだ。教えてくれ。お前が何を我慢して、どんな思いをして今日まで過ごしてたのか」