キミ想い
私が我慢したもの。
思ってきたもの。
そんなの……
「俺が背負えなかったなずなの痛みを、俺に少しでも教えてくれ」
痛みは全部、何が原因かなんて決まってた。
「れ、んっ……私……」
どうしようもなく、溺れていたから。
「蓮が、好き……」
蓮への愛に、息もできないほどに。
「大好きっ……」
今も、溺れているからだ。
閉じ込めていた想いを言葉にしたら、蓮の顔が泣きそうでいて嬉しそうに歪んだ。
その表情に、張り詰めていた気持ちが一気に緩んで、涙が溢れて……
隠すように俯いていたら──
私の体が、蓮の香りと体温に包まれた。
強く、でもどこか優しい蓮の腕。
気付けば私は、すがりつくように彼の背中に腕を回していた。