キミ想い
STORY04 【全部全部君のせい】
「お前、わかりやすい女だって言われるだろ?」
朝、教室に入り自分の席についてすぐ、隣りの席の佐伯に「おはよう」と言って返された言葉がそれだった。
「何よ突然」
「なんか、妙に幸せそう……いや、女っぽい気がする」
……鋭いなぁ、佐伯は。
女っぽいの方はさておき、幸せなのは間違いない。
……ううん、ちょっと違うか。
右京との曖昧な関係に戸惑いの気持ちもあるけど、それよりも……どんな形であれ、右京が私の想いを受け入れてくれた事実がどうしようもなく嬉しい。
心から愛されているわけじゃないのに、どうしてだろう。
「気のせいじゃない?」
右京との関係を内緒にしておくつもりの私はとぼけてみせた。
誰かに堂々と話せるような関係ではないから。
だけど佐伯は「いや、気のせいじゃない」と断言する。