キミ想い


予想もしていなかった展開。

まさか、夏目さんがここまでしてくれるなんて。


彼女の野宮さんを思う気持ちと、私への気遣い、そして何より、前を向き進む強さが眩しくて……目頭が熱くなる。


「ありがとう……」


心からの想いを伝えた、その時だった。


カタン、と教室の方で音がして、私たちは視線をそちらへ向ける。

そして……


驚愕した。


「あ……」


夏目さんの顔が青ざめ、その視線の先には……


「アンタ、裏切ったんだね……紗希」


夏目さんを睨む



野宮さんが、いた。












< 353 / 404 >

この作品をシェア

pagetop