キミ想い
予想もしていなかった展開。
まさか、夏目さんがここまでしてくれるなんて。
彼女の野宮さんを思う気持ちと、私への気遣い、そして何より、前を向き進む強さが眩しくて……目頭が熱くなる。
「ありがとう……」
心からの想いを伝えた、その時だった。
カタン、と教室の方で音がして、私たちは視線をそちらへ向ける。
そして……
驚愕した。
「あ……」
夏目さんの顔が青ざめ、その視線の先には……
「アンタ、裏切ったんだね……紗希」
夏目さんを睨む
野宮さんが、いた。