キミ想い
「──え」
「蓮にはまだ言ってないけど、もう三ヶ月きてないの」
……嘘。
「あたし、生理は正確な方だから確定だと思うんだよね」
野宮さんが言ってるのは……妊娠した、という事?
呆然としている私の横で、夏目さんが声を発する。
「け……けど、まだ高校生だし」
「だから何? 反対されてもあたしは育てるよ。蓮との子供だもん」
きっぱりと言い放った野宮さんは、私を見ながらニッコリと笑って。
「そんなわけだから、データはあげるから余計な事しないでね。当然、蓮にはまだ黙ってて。あたしから話すのが筋でしょ? アンタは桃原と仲良くやってなよ。じゃあね」
ヒラヒラと手を振ると、野宮さんは夏目さんを一瞬冷たい目で見てから踵を返し、教室から出て行った──‥