キミ想い


ハルからメールが入ったのは、野宮さんが帰ってからまもなくしてからだった。

夏目さんは自身も気落ちしていたにも関わらず、呆然とする私に大丈夫かと聞いてくれて。

それから……


「桃原君と付き合ってても、やっぱりショックだよね」


私の気持ちを慰めてくれた。

とりあえず、まだ妊娠してると決まったわけじゃない。

詳しく聞けそうなら聞いてみるから。

そう言って、夏目さんは教室をあとにした。


蓮と、野宮さんの……


赤ちゃん?


まるで現実感のない話しに、私はただショックを抱えたまま待ち合わせ場所である昇降口前でハルを待っていた。

しばらくすると、駆け寄る足音が聞こえきて。

その方向に視線をやると、ハルがエナメルバッグを肩にかけて私へと向かって走ってくるのが見えた。


「お待たせー」

「お疲れさま」


いつものように、以前のように……微笑みながら労ったつもりだったけど。

ハルがちょっとだけ眉をひそめた。


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