キミ想い


私は自分の中でそう解釈すると同時に、佐伯の観察力がちょっと怖いと感じた。

佐伯の彼女は、絶対浮気なんてしないだろうなぁ……

すぐにバレるだろうし。


でも、それって……


「佐伯の彼女って幸せ者かもね」

「……なんで」

「だってさ、ちゃんと自分のコトを見てもらえるじゃない?」


一見すれば鋭すぎて怖い観察力だけど、それは佐伯がキチンと相手を見ている証拠だ。

髪型を変えても何も気付かれないより断然いい。


「佐伯はいい彼氏だよ」


続ける私を、佐伯は真顔で見ながら言った。


「そんなコト言ったのは、お前だけだ」

「え? そうなの?」

「ああ。大抵、言われるのは”気が安まらない”だからな」


あー…それもわからなくもないけど。


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