キミ想い
信じてもらえるのはとても嬉しい。
私だって、蓮の言葉を信じられる。
でも……
蓮の未来は、私の未来と重ならない。
「何があった? 何を言われた?」
いつの間にか、蓮の瞳が私を捉えていて。
彼の手が、優しく私の頬に触れる。
話してくれと、懇願するように。
「…………」
それでも、私から話せない。
だから溢れそうになる涙を堪えて唇を引き結ぶと、蓮はまた小さく息を吐いて。
「……わかった。もう、聞かない」
ギシリと軋んだ音をたてベッドを降りると、床に散らばっていた衣服を身にまとう。
「今日は帰る。でも、俺は前みたいに好きにしろとは言わない」
そう言うと、振り向いて。
「諦めて、失うのはもううんざりだ」
僅かに眉を寄せて笑みを浮かべると、蓮はドアの向こうに消えていった。