キミ想い
STORY46 【バカみたいに】
月曜日の朝は、生徒の多くが少しだるそうな顔をしている気がする。
休み明けのせいだとは思うけど、今日は特にそんな風に見えるのは……
昨夜から降る雨のせいと、私の心が沈んでいるせいかもしれない。
ホント、バカだ私。
最後に一度だけなんて……
その行為は、さらに蓮への想いを募らせるだけだった。
「もう……バカすぎ」
教室の自分の席に座りながら溜息を吐いた瞬間。
──ガラリ。
教室のドアが勢い良く開かれて。
何事かと視線を向ければ、そこにはハルが立っていた。
彼は私の姿を視線に捉えると「なずなっ」と名前を呼ぶ。
その表情には、焦りが見えた。