キミ想い


「わ、たし……」

「なずな、いい。付き合う必要はない」

「ど……してよ。どうしてそんなにこの子がいいのっ? あたしの方が絶対蓮を好きなのにっ!」


どうして、ともう一度声にする野宮さんに蓮は真剣な表情で言う。


「野宮の想いも、なずなの想いも関係ない。ただ、俺にとって何者にも変えられない存在なのがなずななだけだ。なずなだから好きでいられる」


蓮の言葉に、気持ちに、心が温かく痺れるような感覚。


私も同じだよ、蓮。

私も、蓮だからこんなにも好き。

バカみたいに、好きでいられる。


蓮しかいないの。


私はあなただけが



こんなに、こんなに



大好きなの。




< 377 / 404 >

この作品をシェア

pagetop