キミ想い
STORY47 【二人の未来へ】
ぼんやりと霞んだ意識。
遠くの方で、規則正しい電信音が聞こえる気がして、なんとなく耳を傾ける。
──ピッ、ピッ、ピッ。
次第にはっきりと耳に届くその音を確認しようと、私はゆっくりと瞼を開いた。
すると。
「なずな?」
私の名を、大好きな人の声が呼んだ気がして。
ゆっくりと視線を辺りに巡らす。
見慣れない天井。
淡い水色のカーテン。
そして──
心配そうに私を見下ろす、蓮。
「……あれ……?」
私、どうしたんだっけ。