キミ想い
「蓮……?」
状況がわからなくて、彼の名を口にする。
蓮は、それだけでわかってくれたようで、ここが病院だと教えてくれた。
「お前は昼間、学校の階段から落ちて救急車で運ばれたんだ」
「階段から……」
ああ……そういえば、と思い出す。
確か、蓮と野宮さんが話をしてて、そしたら野宮さんが階段から落ちそうになって──
「……っ!?」
記憶がつながった途端、私はとても大切な事を思い出した。
「野宮さんはっ?」
どうなったのか知りたくて、私は興奮気味に体を起こそうとした……のだけど。
「いっ…た……」
肩に走った激痛に、私は体を丸くした。
「いきなり動くな。骨折してるんだぞ」
言われてみれば、確かに私の肩と腕が包帯によって固定されていた。