キミ想い


──翌日の朝。

HR前の時間を利用して、隣りの席に座る佐伯に相談した。

かりんの悩みだとは言わずに、状況を説明しながら。

すると佐伯はかんぱつ入れずに言った。


「そりゃ、もう終わりかもな」

「そうなのっ?」

「人にもよるだろうが、マンネリには早い気もする。多分”違う”と思ったか、最初から狩りの対象でしかなかったか」

「……本命が他にいる可能性とか、ある?」

「あるかもな」


佐伯の言葉に、ズキンと心が痛みを訴えた。

私は最初から知って、右京と今の関係になった。

だけど、もしも青木君に本命がいて、かりんがその代わりになってるのだとしたら……

何も知らなかった分、傷が深くなる。

まだそうだと決まったわけじゃないけど、もしもそうだとしたらと思うと、かりんの事が心配になってしまう。


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