キミ想い


クラスメイトと教室で昼食を済ませた私はお手洗いに向かった。

その途中、廊下の窓の外に見えた空の色が黒くて、雨が降っているのかと確認しようと窓際へと寄った。

鈍色の分厚い雲の下に広がるのは、我が校自慢の中庭。

少し大きめの噴水は私の好きな場所でもあって、そのすぐそばにあるベンチは私とかりんが良くお喋りをする場所でもある。

本当なら今日も昼食後に待ち合わせてガールズトークに花を咲かせるはずだった。

でも、今日はどうやらかりんに用事があるらしくて合流できないってメールが来ていたのだ。


そんな事を思い出しながら噴水脇のベンチに視線を動かした私。

視界に入り込んだ人物に、私の足がピタリと止まってしまった。


「……なんで」


思わず小さく漏らしてしまう。


だって、そこにいるのはかりんと……



右京だったから。



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