キミ想い
あの時のこと、かりんは私に正直に話してくれてた。
『今日ね、実は右京君に相談してみたんだ』
少し気落ちした感じでそう言ってたかりん。
どうやら青木君と右京のタイプが似ているらしく、だから相談してみたらしいんだけど……
結局、答えは出なかったと教えてくれた。
『いつでも相談に乗るよって、右京君は優しいよね。なんか、心強いし』
かりんのその言葉は、確実に右京を頼ろうとしているもので。
そして、右京の言葉はかりんだから……なんだろう。
出口なんて全く見えない思考に捕らわれている私。
小さく溜め息を吐き出すと、隣りの席の佐伯が私に小さな声で言った。
「今日、天気いいな」
「……うん」
確かに今日は天気がいい。
爽やか過ぎる青空がちょっと疎ましいくらいに。