キミ想い
駅前のカラオケルームはうちの生徒のプレイスポットになってる。
放課後は同じ制服の子を見る確率は高く、けれど……
「何か飲むか?」
「アイスティーがいいな」
「じゃ、俺はジンジャーエール」
私の中でカラオケに行くようなイメージがない佐伯の姿って、ちょっと貴重な気がする。
というか、同じ部屋に2人だけって、佐伯の彼女とかが知ったら浮気とみなされるんだろうか。
……今更だけど、心配になってきた。
だけど佐伯には感謝だ。
歌う事でそこそこに発散出来てるのがわかる。
たとえそれが……
「……片桐」
「んー?」
「次はもっとノリのいいやつにしとけ」
「……いや、気分がバラードでさ」
選曲が暗い感じばっかだとしても。