キミ想い


爽やかな朝の外気が私を包んで、一歩踏み出したところで、見知った顔が私に向かって手を振っているのに気づく。


「おはよ、なずな」


彼女は挨拶とともに、天使のような笑みを浮かべた。


「おはよう、かりん」


答える私は、浮かべた笑顔とはウラハラ。

心の中はモヤモヤとした霧がかかってくのがわかる。


成田 かりん。

高校一年の六月に転校してきて同じクラスになったかりん。

私の後ろの席だったのがきっかけでよく話すようになった、笑顔が魅力的な女の子。

ふわふわとしたイメージがあり、私の中では天使のような存在だ。

性格も悪くないし、人の悪口を言ってるのも聞いた事がない。


一言で言えば【純粋】。


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