キミ想い
窓の外は裏庭。
踊り場の外は木々が風に揺れている、人が滅多に来ない所で。
そんな場所に、隠れるように身を寄せ合う男女の姿がそこにあった。
唇を重ねる
右京とかりんの姿が、あった。
心臓が止まるような錯覚。
衝撃が強すぎて、頭の中が真っ白になって。
わけがわからないまま、私の身体が急激な強い力に引き寄せられた。
「バカ」
佐伯の優しい声が耳元で聞こえる。
私は佐伯の腕の中に自分が収まっている事も自覚しないまま……
「も……さい、あくっ」
失恋した──‥