キミ想い
「傍にいてくれるだけで大丈夫だよ」
安心するから、吐き出すよりこうやって抱き締められていたい。
今の私にとって佐伯の腕の中は、何よりもどこよりも落ち着く場所になっていた。
庇うように初めて抱き締められた時は、こんなにも落ち着く場所になるとは思ってなかったけど……
寄りかからせてくれる佐伯の存在は、確かに私の中では大きなものへと変化していて。
そんな風に、苦しさと心地良さを味わいながら毎日を過ごしていた私に……
ついに、その時が来た。