キミ想い
STORY10 【変わりゆく…】
雨の屋上で佐伯に慰められてからひと月が経った。
冬休みが来て、クリスマスもお正月も過ぎて……明後日からまた学校が始まる。
いつもなら宿題に追われてる私だけど、今年は違った。
「なずな、そろそろ行くぞ」
「うん」
蓮がちょくちょく来てくれてたおかげで、宿題を手伝ってもらえたからだ。
私と蓮はクリスマスもお正月も一緒に過ごしていた。
ハタから見ればまるで恋人同士だと思う。
実際……
「あら、蓮君。今日もイケメンね」
「おねーちゃんにはもったいないねー」
うちのお母さんと妹もそう思ってるんだから。
だけど、私と蓮の関係は何も変わってない。
名前を呼び合うようにはなったけど、付き合ってるわけではなかった。