キミ想い


二年生最後の学期が始まって、私の生活ペースも徐々に変わった。

変わった事は、朝の通学は必ず一緒だったかりんがいなくなった事。

かりんは右京の誘いで男子バスケ部のマネージャーになったのだ。

そして、付き合っているわけだから当然……朝練があってもなくても2人は一緒に登校する。

一緒に登校出来なくなった事を申し訳なさそうな、けれど幸せそうな顔でかりんは私に謝った。

その時の私は、想像していたよりもうまく笑えていたと思う。


「……やっぱ、蓮の影響かな」


教室の自分の席で思わず零すと、席替えによって遠くなってしまった蓮に視線を移した。

蓮は私の視線には気付かず、クラスメイトと時々笑みを浮かべながら話している。

そんな光景に寂しさを覚える私。


そう、これも変わった事のひとつだった。

席替えの事ではなく、席替えによって感じるようになった寂しさ。


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