キミ想い
「や、付き合ってないよ」
「ええっ? だって噂になってるよ」
「そ、そうなの?」
「うん。最近は聞かないけど……違ったんだ?」
「違うよ」
「そうなんだ。……なんかちょっと安心したかも」
「どうして?」
「だってさ、なずなから何も聞いてなかったら、ちょっと寂しいなぁって」
チクン、と痛む胸。
何でも相談してくれるかりんと、相談しない……出来なかった私。
……でも、今なら相談……出来るかな。
湯銭でチョコを溶かすかりんに、私は声を発した。
「ね、かりん」
「うん?」
「佐伯とはね、付き合ってないんだけど……」
「うん」
「色々は、あって」
言えば、かりんは動きを止めて私をマジマジと見た。