キミ想い


「支えてもらってたから、甘えてるだけなのかもしれない」


私が零すと、かりんは再び手を動かしながら言った。


「わからないって悩む時点で、もう好きになってるんじゃないかな」

「……え?」

「恋ってさ、認めてしまうと一気に好きになると思わない?」


確かに、そうだと思った。

右京を好きになった時も、自覚した瞬間から一気に想いが膨らんだのを覚えてる。


「それってきっとね、恋をする事に臆病な自分がもう育ってる気持ちを閉じ込めてるからだと思うんだ」

「爆発するって事?」

「うん、そんな感じかなぁ」


溶けきったチョコが甘い香りでキッチンを満たして、かりんが微笑んだ。


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