「家なんて…ない…わよ。」
少し、怒鳴るように言ってしまった。どうせ「何でないの?」とか…。事情を聞くに決まってる。いっつもそう。
「そう。なら、私の家に来なさい。とりあえず、手当てしないといけないでしょ?」
「は…?」
考えていた答えとは違う、彼女の言葉に驚いた。私は、黙ってずっと彼女の顔を見ていた。驚いて、言葉もなにも出なかった。
「来るんならついてきて。他に帰る場所があったら、無理につれていかないから。」
そういって、彼女は歩き出した。よく分からないけど、私は彼女の後ろをついて歩いた。
「ここ。」
数分歩いて、少し落ち着いた場所についた。彼女の家は、アパートで正直ボロボロ。
私のイメージしてた家とは、全然違った。彼女の雰囲気から、もっと綺麗なマンションとか…。家とか…。

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