二度目の初恋をキミと
渡されたお茶を飲んで一息つく。
「おいしいです!」
「良かった。今日はありがとう」
「全然いいですよ! むしろラッキーです!」
心なしか普段よりも幾分か優しい泉崎君。
嬉しくって、調子に乗って本音が漏れてしまった。
「……せっかくプリント届けに来てくれたのに黙って突き返すほど俺も無愛想じゃないし」
泉崎君がうつむき加減で言う。
「無愛想ですよ! もっと笑ったらいいのに。
あっ、でもダメだ。そんなことしたら泉崎君のファンがまた増えちゃう。
ただでさえ多いライバルが……」
隣に当の本人がいるにもかかわらずそんなことを口走ってしまう私。
いつも気付いた時には思っていることが口に出してしまっている。
「……なんで俺なの? 他にもっと優しい奴とかいっぱいいるじゃん」
予想外の質問に驚いた。
でも、私が泉崎君のことが好きなのに理由なんてない。
「泉崎君だから。最初は一目ぼれだったけど、泉崎君のこと知るたびにもっと好きになった。
理由なんて、それだけだよ」
「…………っ」
そういってほほ笑みかけると、彼はすごく驚いた顔をしていた。