二度目の初恋をキミと




 さっきまで今日はラッキーだと思ってたのに。

とんでもないアンラッキーデーだ。



こらえきれなくなった涙がポロポロとこぼれ落ちる。


視界が歪んで、大好きな彼の顔も見えない。




さっきからずっと沈黙が続いていた。
すると




――――ピーンポーン

場違いな音でインターホンが鳴った。


「出てくるから」

そう一言だけ言って泉崎君は部屋から出て行った。





彼がいなくなったことでいよいよ私の中のタガが外れた。

声も我慢できなくて大きな声で泣いた。








少し落ち着いてきたし、いくら私でも完全にフられた男子の部屋で泣き続けるのもアレなので、もう帰ろうと思ったんだけど、


どうやらさっきのお客さんは名取君だったらしい。



泉崎君が部屋を出て行ってから結構時間が経ってるし、もうお客さんも帰ったのかと思ったんだけど……。




そっと部屋を出て忍び足で下の様子を窺ったときに名取君の声が聞こえた。





仕方がないので、もう一度泉崎君の部屋に戻って今からどうしようか考えている最中だ。










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