二度目の初恋をキミと
……困った。
とりあえず自分の荷物を集めておこうと思って、鞄を手元に引き寄せた時、一枚の写真が目に付いた。
さっきまでは無かったから、泉崎君が身につけていて落としたものだろう。
「……っ! この人が、泉崎君の」
彼と女の子が手をつないで微笑んでいた。
幸せそうな顔。
私にはこんな風に笑ってくれない。
せっかく落ち着いてきたのに、この写真を見てしまったことで感情がまた噴き出してきた。
涙が止まらなくて――――。
もうここにいることはできないと思った私は、荷物をかき集めて泉崎君の家を出た。
途中でもちろん泉崎君と名取君がいるところも通ったし、二人とも驚いて声をかけてくれたけど、それも全部無視した。
もう、耐えられそうになかった。