二度目の初恋をキミと
「で、結局渡せなかったのね」
「ハイ」
まったくもう、と呟きながら長くつややかな髪をかきあげるわが親友、橘美空。
絶世の美女でございます。
「だいたい、アンタはがっつきすぎなのよ。もっと計算して動きなさい」
「だってぇー、計算なんて私にできると思う?」
「……アンタには無理ね」
「ひどぉーっい!!」
ちなみに毒舌です。
……あと潔癖症です。冷血です。ひとでなし……ごめんなさい、すいません。
ちょっと棘があるけれど本当はすごく優しい私の親友。
いわゆるツンデレ、萌えます。
「ちょっと! アンタまた私でなんか想像してたでしょ!」
「何故わかったっ」
「そんな百面相してれば分かるわよ」
彼女に嘘はつけないし、他の人にもつけないんですが(ついてもすぐにバレるので)、正直にさっきのことを話すことにした。
「うーん、また逃げられちゃった」
「これで50回目ね」
「ちがうよぅ、まだ49回目だよ」
無言でため息をつかれました。