二度目の初恋をキミと
私には初恋の相手がいる。
それがさっきから私が追いかけまわしている、泉崎唯人くん。
物静かでクールで、目鼻立ちの整った、綺麗系男子。
何をしても本当にかっこいいし、全学年の女子たちからモテモテな彼。
到底私の手に届くような存在ではないことは分かっている。
「わかってるん、だけど」
「諦められないんでしょ?」
「……うん」
「だからってストーカーしなくてもいいじゃない」
確かに彼女の言うことはもっともだ。
全校生徒に引かれるくらい追いかけまわさなくても、普通に告白すればいいのだ。
それでも――。
どれだけ自分が周りから浮いても、変人扱いされても、これだけは譲れないのだ。
一度眼があったら離せない。
彼を見つけるだけで胸が高鳴る。
まぎれもない、初恋なのだ。