二度目の初恋をキミと
「そんなにたくさん画鋲が入ってたの?」
「うん」
「……にしてもアンタ、ありきたりなイジメに遭ったわね、っていうか、画鋲が入ってるって分かるほど入れても効果ないじゃない」
……確かに。
そのイジメの方法は画鋲が入っていることに気付かないで靴を履くことで、そのターゲットを痛めつけることができるって、オイ!!
「少しは心配してよ!!」
私がいじめに遭ったっていうのにその反応は無いのではないでしょうか、美空さん。
「してるわよ。ただアンタを心配する気持ちがやったやつらの馬鹿さ加減にあきれる気持ちに凌駕されただけよ」
……凌駕されないでください。
「で、どうすんのよ? 誰がやったかもわからないし」
「うーん、まあ放置の方向で。これで満足したならいいし、そうじゃないなら何か他にしてくるでしょ」
そうしたら誰が犯人かもおのずとわかるだろうし。
自分から棄権に向かっていかなくてもいいかなって、と美空ちゃんに話した。
「アンタがそう言うなら別にそれでもいいけど、気をつけなさいよ?」
そういって心配してくれる美空ちゃんの気持ちはありがたくもらっておくとして……。
「もっと心配なのは泉崎君のほうだよ! 今日校門で張り込みしてたけど来なかったんだよ!」
「あー、ハイハイ。泉崎君にだっていろいろあんのよ、きっと」
「いろいろって?」
「そりゃあ、体調不良とかじゃないの?」
……体調不良か。
それはそれで心配なんだけど。
「お見舞いに行ったら?」
「だって家知らないもん」
そう言うと、じゃあどうしようもないじゃないと言ってあきれる美空ちゃん。
私だってお見舞いしたいよ……。