2人のエリーシャ
「正面は3人か、カイくん、裏の様子を見てきてくれたまえ」

「はい」

カイは足音を忍ばせて家の裏手に歩いて行った。

数分後、カイは戻ってきて報告する。

「裏には5人くらいいました。

「そうか、ご苦労さま」

正面に3人に裏に5人か、ならば正面から行くか?

「カイくん、麻酔針で3人をやってくれるかな」

「はい」

カイは目も覚めるような速さで両袖と右足から針を出しては吹きして3人を眠らせてしまった。

「正面から行くぞ。カイくんは後ろからついきたまえ」


「はい」

ジンが重厚そうな扉をそっと開くと薄暗い辺りはシーンと静まりかえっている。
エントランスから入ってすぐ階段が真ん中にあった。

いつの間にかカイがその階段の一段目に足をかけようとしていた。

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