スキが言えない
フッ・・・。


ぇ?笑われた?


って、なんで笑うのぉ?人が困ってるって言うのに。


「佐々は?一緒じゃねぇの?」


面倒臭そうにあたしを見下ろす。





「佐々って・・・だれ?」



「はぁ・・・お前の担任」


あの人担任なの?

だってあの人、生徒みたいな先生で・・・担任に見えなかったもん。



そう思っていると、男の子はスタスタと前を歩き始めた。



ぇ?いや、行かないで!


「うゎ、服引っ張んな!伸びる」



振り返って驚いた顔をする。


そして、慌ててあたしの手を引き離そうとしている。


あたしは手を離して腕にしがみ付いた。


あたしの考えが分かったのかそのまま歩き出した。


ずっと、目を瞑っていたのでどこを歩いたのかは、全然分かんない。


しばらくすると、男の子の足が止まったみたいで、あたしもつられて止まる。


ゆっくりと目を開ける。


目の前には教室?隣を見上げると目があった。


離せと目で訴えている。



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