スキが言えない
「ご、ごめんなさい」


慌てて都を離す。


「ん」


そういってガラッと行きよいよくドアと開けた。


教室の視線があたしたちに向けられる。


「あぁぁぁぁ!!!」


と、声を上げたのはさっき会ったいい人(男の子)。


いきなり大声をだされ、そして指をさされて・・・。


驚いた。それしか頭にない。


「さっきのいい人だぁ・・・ヒック・・・う・・・」


その言葉と一緒に涙が溢れて来た。


周りがシーンっとする。


ポンと頭に手が乗っけられる。


ありがとう。とは言えなかったかわりに。


誰にも見られないように服の裾を掴んだ。


すると頭に乗っけられた重さはスッと消えた。




席を立ってこっちに来る。

「夕日偉いじゃん!あゆなちゃんもお疲れ」

そういってギュウッと抱きしめられた。


さっき乗っていた手と違って優しく頭を撫でられる。


その瞬間あたしは掴んでいた裾をゆっくりと離した。




「あーぁ、可愛い顔が台無しだよ?ほら、泣かないの!!」

なんかお兄ちゃんみたいな人だ。っと思った。














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