スキが言えない
「なんも知らないでここに転校して来るなんて度胸あるね?」


なんでそんな話しになるの?




って、だからなに!?


なんなの・・・?



「あ、僕はぐるって言うんだ。はぐるでいいよ。男だから!」


さっきのいい人は「はぐる」っていうらしい。あんまり聞かない名前。

カッコイイより可愛い系の感じ。

なんかさっきはお兄ちゃんみたいだなって思った。

ってか、男だってくらい分かりますから。

そこまでバカじゃないです。


平常です。




「俺、薫。呼び捨てでいいからヨロシク♪ついでに趣味は女あそ・・ッ痛ぇ!!」

バコッと音が鳴ったと思ったら、


「ごめんね薫の兄の稔です。ヨロシクね♪」



どうやら、薫と稔は双子らしい。
確かに似ている。


薫はフレンドリーな子で稔はお兄ちゃんみたいな。

なんか良い人そう。





「ちょっと、薫近づくな!あゆなちゃんが汚れる!!」

ふわっとはぐるがあたしを引き寄せる。




「ひどッ!!!なんではぐるはいいんだよ。卑怯じゃん!!!ずるいじゃん!!」


と、訳の分からない事を言っている。

なんだか、喧嘩のように聞こえるのはあたしだけ?


「本当のことじゃん!!ねぇー夕日って夕日!?」









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