先生に恋をして
　走っていると朝佐々木先生に告白していたであろう女子生徒が女友達と喋っていた。

　「それでさー葉さんったらね・・・」

　女子生徒のその言葉に私は驚いた。
今確かに『葉さん』そう言った。
　
　「ねえ！」

「え？何ですか？」

「え、あ。」

　私は無意識のうちに女子生徒の腕を掴んでいた。そして初めてその子の名前が分かった。小林磨奈魅（こばやしまなみ）。すごく可愛い子だった。

　「あ、あのさ・・・今、葉さんって・・・」

「え、あ、きこえちゃい、ましたか？」

　磨奈魅ちゃんはすごく焦っている表情だった。嫌な予感がする。

　「うん、凄く。」

　というか、私が先生の名前を聞き逃す訳がない。

　「あの・・・ですね。今日の朝、先生に告白したら・・・・・付き合ってくれるって・・・・。」

「あ、そうなんだ。ありがと。じゃあね。」

「え、あ、はい！」

　そして私は角を曲がり階段を下りていった。
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