<短編>隣の席の不良くん
隣の席の不良くん



不良少年とは関っちゃいけないし、そもそも関りたくない。



高校生の不良というのは、世間的には決して珍しくない。
この英徳第二高校にだって、例に漏れず不良は居る。

事件を起こして停学になってくれれば、こちらとしてもありがたいのだが、世の中そう思うようにはいかないらしい。
不良のくせに、そして他校と喧嘩して事件も起こしてるくせに、何故か停学にならない奴は存在する。

そしてそれが、うちのクラスにも居る。
その不良の名前は黒木龍一。


私は入学して初めて彼を見たとき、その場に凍り付いてしまった。
あのときの衝撃を、今でも覚えている。

とんでもなく派手な金色の髪。

周りは全員敵だと言わんばかりの怖そうな顔つき。

どこからどう見ても、間違いなくヤバイ奴だった。
目が合ったら、何を言われるか分からない。
絶対にこの人とは関らないようにしよう、と心にきめた。

が、黒木くんと私は運悪く隣同士の席になってしまったのだ。
そのときほど神様を恨んだときはない。


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