君の笑顔が好きでした。
朝目いつもは覚めがいいはずなのに今日に限って相当悪い。
重い体を必死におこして支度をして学校に向かった。


朝学校について教室に入った瞬間すごい光景を見てしまった。
まーくんの腕にべったりと張り付く菜槻ちゃんを。


「ねぇー誠ぉ?聞いてるの?」


「聞いてるよ。」


「私のこと…好き?」


「…好きだよ。」


そうまーくんが言った瞬間クラスの女子が悲鳴を上げた。
うちは状況を理解出来ずに入口に立っていた。


菜槻ちゃんはこちらに気づいて笑顔で、


「これから誠は私のものなんだから一切触れないで頂戴ね。」


そう言って不気味な笑顔を見せた。
その瞬間うちの心の中で胸にチクチクするような痛みが起きた。
その痛みの原因も分からずただ立ち尽くすことしか出来なかった。


休み時間になればまーくんの隣には菜槻ちゃんが独占していた。
菜槻ちゃんがいないときは別の女の子に呼ばれて告白を受けていた。

まーくんってモテるんだぁ…まぁ優しいもんね。
うちはもうその優しさに触れることはないと思うとまた胸が痛む。
なにこの痛みは…?


「なーにしてんの?」


といきなり目を塞がれ前が見えない状態になったうちは急いで「遥斗くん!」って言うと「当たりー(笑)」と何気ない会話をしていた。
急に遥斗くんが、


「誠ってモテるよね(笑)いつも鈍感で女の子の気持ちはわからないけど何気ない優しさがモテる理由だろうけど。」


と言ってクスクス笑っている遥斗くんを見ずにまーくんを眺めていた。


「やっぱり誠が好き?」


と呟く遥斗くんのほうを振り返るといつもとは違う真剣な目で見ていた。
うちは鼓動が高鳴った。


「べ、別に好きなんかじゃ…!」


と言うと遥斗くんが顔を近づけてきて、


「なら俺と付き合…」


と言う前に遥斗くんが横に押し倒された。

押し倒した人を見るとまーくんだった。
まーくんはこちらを見て女の子達に呼ばれて教室から出て行った。

まーくんは見たのか睨んだのかはわからなかったけど…。
まーくんがこちらを見て何か言おうとしたのは見て取れた。

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