ほっといて

弾みで声を出してしまったし。


「ご、ごめんなさい」


相手の顔を見ずに、頭を下げて謝った。

「いいよ」


許してくれた。



そして私は相手の顔を見ずに、この場から立ち去ろうとした。


「どこに行くの?
行く所あるの?」


そんな声が聞こえた。



「わかりません」

立ち止まり顔を下に向けながら答えた。
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