ほっといて

私はその映像に目を疑った。


耳も疑った。


どうして?



「さなみ…   さな…み…」


悲しそうにする母の姿があった。


私の名前を呼んで、涙を流している。



嘘だよね!  これって、演じてるんだよね?!



私は動揺を隠せなくなっている。



「これが何ですか?


この演技で私に胸を打て、とでもいいたいんですか?」


< 283 / 333 >

この作品をシェア

pagetop