パツ子と甘えん坊くん。
こうなったら…
「寝顔を撮ったのが自分だけだと思うなよ!」
あたしも携帯を真琴に見せる。
携帯画面いっぱいに真琴の寝顔写真があった。
それを見るなり、真琴の顔は赤くなった。
「ちょ、いつ撮ったの!それ!壁紙にしないですぐ消して!」
今度は逆に真琴があたしの携帯を取ろうとする。
でもあたしは素早さを利用して、あたしの家の周りを走り回る。
お互い笑いながらお互いを追いかけ合う。
鬼ごっこみたいだけど、この場合どっちも鬼でどっちも逃げる側でもある。
しばらく追いかけ合って疲れ果てた真琴は、石畳の階段に座り込む。
「ハァ、ハァ、あー疲れた」
あたしも息切れをしつつ、真琴の隣に座る。
すると真琴はあたしの肩に寄りかかってきた。
まさか真琴があたしの寝顔写真を撮ってたなんて思いもしなかった。