パツ子と甘えん坊くん。
ついにやってきた真琴の誕生日前日。
次の日の洋服やら下着やらを詰め込んだ鞄を玄関前に置く。
そしてお風呂場にある全身鏡で、全身をチェックする。
白いブラウスに黒い紐リボン、その上には赤いカーディガンを着用。
下はベージュのショーパン、寒いから黒いタイツを履いてる。
鏡で全身を確認してから前髪を確認する。
今日は奇跡といっていいほど、前髪は綺麗にパッツン。
大事な日ほど崩れた前髪も今日は切り揃ってくれた。
いつまでも前髪やら服装やら確認してると、全身鏡にお母さんが顔を出した。
「…あんた、真琴くんをいつまでお菊と遊ばせてる気?」
お母さんの頭に角が生えてるんじゃないかと思うくらい、お母さんの顔は怖かった。
あたしは急いで靴を履いて、玄関前に置いておいた宿泊セットを持って玄関を開ける。
「じゃ、お幸せにね〜♡」