パツ子と甘えん坊くん。



上は赤いフード付きの長袖、下はベージュの長ズボン。



ホントだ、色が丸かぶり。



なんかお揃いの服装みたい。
計画してないのに、揃うなんて嬉しいな。



そう思っても口にはしない。
言おうとすればあたしの中のツンが発動するから。



「は、早く行くぞ!バカ!」



真琴にじーっと見られて顔が赤くなった。
バカと言ったら真琴は「うん」と嬉しそうにあたしの荷物を持った。



あ!今日の主役があたしの荷物を!



「ま、真琴!荷物は自分で持つ!」



そう言って荷物を取り返そうとしたけど、真琴に高く持ち上げられてしまう。



「いいよ、これぐらい持たせて?」



そんな甘え声で言うな、バカ。
引き下がるしかないじゃんか。



あたしは渋々コクリと頷いて、荷物を真琴に任せた。


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